akineziのブログ

この一人の人間の、生き模様です。

親友とは‥

親友と呼べる人はいるだろうか?何を持って親友なのか?一方的にそう思ってるだけで、相手も同じだけ自分の事を思ってくれているだろうか?
 いつだったかテレビで見たことがある。親友だという思いを試すコーナーだった。町の人に声をかけて、『親友はいますか?!』と聞く、その名前が上がった本人を訪ね、親友の名前を上げた人は車に隠れる。そして聞くのだ『親友だと思う人の名前を上げてください』と、、。
残酷な番組だとは思った。思い通りの名前が上がれば万々歳だが、上がらなかった人ももちろんいたのだ。名前が上がった後、車から名前を上げた親友だと思ってる人の所に駆け寄る。上がらなかった本人は笑って誤魔化したりしている人もいたが、その後の事を考えるとゾッとする、、、。
 『親友』という言葉の意味、今一度調べて見る事にした。
親友とは‥‥
親友とは互いに心を許し合っている友達です。
しばらく会わない時期があっても、会えば時の隔たりなどまるで感じず、すぐにブランクを埋められるのが親友。 親友とは相互に理解し合っているので、一緒にいるととても居心地が良い存在でもあります。 お互いの間に深い信頼があり、心を許しています。
 
『なるほどー』とつい言葉にしてしまう文章だ。分からなくもない。確かにこんな人、何十人もいるなんて言っても、誰も信じないだろう。もちろんこれは個人だけが思っていたって、真の親友同士とは言えないだろう。お互いがそう思ってこそ親友と呼べるのだと思う。難しい条件だ。それが男女なら尚更だ。


『あなたにはいますか?』


 え?私ですか?いますとも!!しかもより難しい条件の男女の親友が!!(笑)
そう、私にはいる。相手に確かめた訳でわないが。親友だと信じてる人が一人。


 その親友との出会いは、中学を卒業し地元の高校に入学した時だ。クラスは別だった気がする。最初の印象は良いとは言えない所から始まった。
 誰もが持っていると思う、簡単に言うと不良高校生の印象だ。様々かもしれないが、ケンカっぱやい、教師に反抗、授業中に突然帰ったり。
 窓際に座っていた私はふと、授業中だが窓の外を覗いた。すると一人駅の方へ歩いてる生徒が目に入った。これだ不良高校生。
『本当に帰る人いるんだ、、』と当時は思っていた。後々話を聞くと、帰ったのはそう、彼女だったのだ。帰った理由は父親が亡くなったかそんな理由だった気がする。そんな理由など知るはずもなく、ただ私は不良少女!と言う彼女の第一印象から始まったのだ。
 それからというもの、そういう少し変わった人に興味を持ちやすい私は、彼女の事がどんな人なのか、いったいどんな事を考えているのか、彼女の図鑑なんてあればすぐ買っていたかもしれない程、興味津々だった。
 大抵の女子と言えば集団が何個か出来、常に一緒、そんなイメージがあると思う。だが彼女は全くとは言わないが、基本的に人に近づく事がないのだ。同じ地元から来た同級生もいただろう、それが彼女を見ていてもよく分からないのだ。
 彼女と連絡を取るようになったのはいつだったか、当時まだ携帯電話を持っていなかった私は、親の仕事携帯でメールのやり取りをしていたような気がする。自分の携帯を持ってからもやり取りをしていたが、このメールがなんせ大変だった!(笑)
 彼女の性格を一つ簡単に上げるならば、サバサバしている。そんな女子とあまり関わってきた事がない私は、これがサバサバ系と言うものなのか?なんだこれは?こんな女子もいるのか!!普段直接喋る機会もなかったので、メールでなら彼女の事を知れるかもしれないと安易に思っていた。


 そのメールの内容とは、簡潔に言うと一問一答の応酬で、質問すれば『そうだね。』『どうかな?』『うん。』こんなメール誰が続けたいと思うのか。高校生だぞ?絵文字の一つもない!彼女の一答に対して『そうなんだ。』の一言、質問が途切れたらたちまちゲームオーバー、メールは途切れてしまう。それでも彼女への探求心の方が強かった。自分の携帯を持ってからもメールのやり取り?(笑)は続けた。
 彼女には謎のオーラがあった。男を引き付ける魅惑のオーラだ。話す時は話すが自分の事は自ら話す事はほとんどない。容姿はもとてつもなく可愛い!キレイ!って訳でもないと思うが、普通に可愛く+そのオーラによって、何人もの雄どもが取り憑かれていたと思う。もちろん私もその一人だ。

 彼女とのメールのやり取りは少なからず続いていた気がする。いつからか、彼女とは普通に話しをするようになっていた。少しずつだが彼女の事を知ったいった私は、皆さんのお察しの通り?(笑)

そう、興味と共に好きになっていたのである。

 高校二年の時だったか、彼女に好きだと言って、一瞬だが付き合った事もある。2週間程度とすぐに別れてしまったが、普通に話す仲は変わらなかった。

 彼女にはもちろんたが、彼氏も出来る。その話や一緒に話している場面を目撃する度、嫉妬で押し潰されそうになった事もある。周りの同級生にも知られる程、彼女への片思いは長かった。

 彼女の好きな物が知りたかった、彼女が何に共感し、何に影響を受けているのか、単純に何が好きなのか、どうしたら喜ぶのか、彼女が興味あるものは自分も試し理解したかったのである。

 

 いつしか時は流れ、高校を卒業し、私は地元に就職、彼女は大学に進学したのである。メールはしていた。ある時、全く返って来ない時期があった。彼女は基本的に器用だが、人との付き合い方や気持ちのコントロールに少し不器用な所がある。そんな事を知っていた私は心配になり、何も言わず仕事帰りに彼女の家に行った事がある。彼女の家は一階で本屋を営んでいる。

 店主の母親と雑談をしていると、彼女が帰ってきた。と途端に

『なんであなたが、ここにいるの?』

と言われた。場の悪い雰囲気になり、その時私は何を喋ったか覚えていないが、彼女の領域に踏み込み過ぎたのかもしれないと考えていたのは覚えている。その後メールがきたのだ、彼女からだ、

『連絡先消してほしい』と、『あなたは私の連絡先があるとメールをしてしまうから』という理由だった。色々苦しかったのかもしれない、分かってあげられてなかった、ポカンと自分の中に何か空間が出来た瞬間だった。そこから連絡を取らない期間が続いたのである。

 あれから一年くらい経った2月の頃だった。仕事帰りにパチンコをしていた私の携帯に、知らないアドレスから一通のメールが届いたのだ。アドレスを見た途端、誰か分かった。心臓がドキドキした。メールなんてもう来ないと思っていたし、失ったと思っていたからだ。そう彼女からだったのである。彼女のアドレスは特徴的で、何年もメールをしていた私には登録などされていなくてもすぐに分かった。

『誕生日おめでとう。』

と、一言。2月は私の誕生日月だった。相変わらず絵文字の一つもなく、たった一言だったが、彼女らしいと思えるメールだった。何か話すきっかけが欲しかったのか分からない。向こうからメールが来る事は、本当に珍しい事なのだ。

このメールを返して良いものなのか、自分の中で葛藤があった。返したい気持ちと、あんたから連絡してくるなって言ったのにという苛立ちと、相反するモヤモヤが入り交じり、直ぐに返す事はしなかった。そんな葛藤は一日も経てばなくなって、

『ありがとう。』と返信したと思う。

 その後のやり取りは覚えていないが、いつもの関係に戻っていった。彼女に歌も歌ったこともある。拙いコードでだが、知ってる人もいるだろうか19(ジューク)の『以心伝心』という曲だ。どう伝わったかは分からないが、彼女は泣いていたのを覚えている。

 

 まぁとにかく彼女とは色々あったのだ。

 二人で色んな所にも出掛けた、毎年お互いの誕生日にはプレゼントもあげた、クリスマスも祝った。彼女と話す時に、言葉も選ばなくなった。

 高校から出会って、19年弱、彼女は結婚もし今はせっせと仕事に励んでいる。(笑)

 

 親友かどうか、そう思ってる相手に確認をしたいかと言われると、んーー別にいいかな?

今さら確認なんていらない気もするし、確認した上でどうなるのか?彼女ならこう言うと思う

『そんな確認いる?』

『そんなの聞いてどうするの?』と、

そういうやつなのだ。だから聞かないで良いと思う。私もそれで良いと思っている。

 結局、『親友』というものは何なのか、冒頭に書いた意味そのままで良いと私は思う。 

 

・互いに心を許し合っている友達
・しばらく会わない時期があっても、会えば時の隔たりなどまるで感じず、すぐにブランクを埋められる

・相互に理解し合っている

・一緒にいるととても居心地が良い

 

 たまに『何でも話せる相手』とかと聞く事もあるが、それはそれで良いかもしれないが、そうでなくても良いと思う。実際、私の最近の恋愛事情とか会ってない間のお互いの事など、話さない事も多い。その時話したい事だけを話す。話がなくなって、多少黙りになっても別に『何か話さなきゃ』とも思わない。意味の通り、居心地が良いのだ。

 周りには理解し難い男女の親友だが、私はこれからも彼女を大事にしていきたい、世界中の人が彼女の敵になっても、私だけは見方でいたい、彼女の居心地の良い場所でありたい。

こんな気持ち、普通は彼女や結婚相手に思うことなのかもしれないが、『親友』という、友達とはまた違う相手にも思って良い気持ちなのだと、私は思う。